古典から学ぶ アーユルヴェーダ: 幸福な人生のために クリシュナ・U. K  (著) 

アーユルヴェーダ

「古典から学ぶ アーユルヴェーダ: 幸福な人生のために」著者はKrishna Upadhyaya Karinje(クリシュナ・U. K)。

アーユルヴェーダに関する本はいろいろ出ていますが、初心者の方におすすめしたい本のひとつ。

アーユルヴェーダの古典書

日本で活動するインド人のアーユルヴェーダドクターが、アーユルヴェーダの古典書『チャラカサンヒター』を紐解き、解説する本。2021年にインド人のドクターのアーユルヴェーダのドクターの講座を受講したときに古典書に書いてあることを大事に講座を行っていて、アーユルヴェーダの古典書ってどうなんだろう?という疑問から、この本の購入になった。アーユルヴェーダの古典書といえばチャラカサンヒター。

サンスクリット語で書かれた古典書は数百冊もあるという。そう聞くとサンスクリット読めませんが、なんだか気持ちあがります。

5000年にわたり進化を続けてきたインド伝統医学=アーユルヴェーダ。
その古典籍である『チャラカサンヒター』をひもとき、アーユルヴェー
ダの基礎概念や健康増進法、食事、アンチエイジングの代表的なハーブ
などを、日本で活躍するインド人専門医が解説する。

時間は過去から現在、未来へと流れているというのが、世の中の一般的な考えではないだろうか?

しかし自分は過去の延長線上に、現在や未来があるわけではないのではいだろうかといつの頃からか思うようになっていて、この本の序章で過去の技術や知識は現在とは異なる方向を向いていたということを述べてることが近いことを言っているように思えた。

アーユルヴェーダは、古代でリシと呼ばれる修行者たちが、瞑想状態の中から実現して人の幸福のために広めていったと言います。 直感とかチャネリング、目に見えない力とのつながりから生まれ、決して古いだけではなく現代も進化し続けていることに魅力がある。インドには西洋医学の医師と同じようにアーユルヴェーダのドクターがあり、大きな病院にはアーユルヴェーダ科があるという。国から認可を受けたアーユルヴェーダの医薬品が販売されており、アーユルヴェーダとヨガなどの伝統医療を管轄するAYUS省が政府機関として設置されている。日本にも漢方の薬などありますが、古いものを大事にされてないように思える。

アーユルヴェーダは、古代インドのヴェーダの4つの聖典の一つのアタルヴァ・ヴェーダと関係が深いという。 アタルヴァ・ヴェーダは呪術とか医学について書かれていて、その医学のところからアーユルヴェーダが生まれたらしく、それを聞いて呪術ってどんなこと書いてあるんだろうって気になります。気になるのは自分だけだろうか?

アーユルヴェーダとは何なのか古典書には以下の定義がされているという。

アーユルヴェーダとは、有益な人生・無益な人生、幸福な人生・不幸な人生、人生にとって有益なこと・人生にとって無益なこと、人生の長さ・人生そのものについて説かれているもののことを言う。

23ページより チャラカサンヒター 1-1-41

有益な人生・無益な人生とは? 幸福な人生・不幸な人生とは?人生の長さとは? 人生そのものとは?ということについて、さまざまな点がとかれており、アーユルヴェーダをマッサージとか食事法とか健康法と捉える前に哲学や学問があるということが、面白いとこです。

アーユルヴェーダ治療の8つの部門

アーユルヴェーダの治療は8つの部門があります。

1、内科

2、育児学科

3、精神科

4、鎖骨より上部の専門科

5、外科

6、毒物科

7、強壮法科

8、強精法科

内科は、「身体治療の専門科」ともいう。育児学科は、丈夫な子供を作るために男女が前もって浄化療法で体を清め、強壮法、強精法の治療を受けるとか。精神科には悪霊の話が出て「鬼神学」と呼ぶという。

自ら悪行を重ねた人のは悪霊がつくが、行いのいい人には神や霊はいっさい害は与えない。

31ページより チャラカサンヒター 2-7-19

医学のなかに霊とか出てくるところを信用しない人もいるでしょうが、そこに行いが良ければ害がないと言ってることが自分は好きです。

アーユルヴェーダには目的も古典に書かれている。

健康な人の健康を維持すること、そして病人の病気を緩和することがアーユルヴェーダの目的である。

3 4ページより チャラカサンヒター 1-30-26

幸福は健康と、また。病気は苦しみとも名付けられる。

3 4ページより チャラカサンヒター 1-9-4

健康であること、苦しみを和らげること。

アーユルヴェーダの3つのトリドーシャ

アーユルヴェーダでは身体の働きを3つのトリドーシャで説明する。

ヴァータ(風の原理)

ピッタ(火の原理)

カパ(水の原理)

アーユルヴェーダでの治療というのはドーシャのバランスを治すことである。

医者・薬・患者・看護人、これら4つがそれぞれの特徴を生かして、協力して、ドーシャの不均衡状態を正して均衡することを治療という、

40ページより チャラカサンヒター 1-9-5

ディナチャリア

アーユルヴェーダでは日々の生活で、起床するおすすめの時間や朝から何をしたらよいかとうのがあり、それをディナチャリアと言います。

排泄、歯磨き、舌の清掃、洗顔、目の健康増進などがといったことから、ヨガのポーズだったり瞑想を行うなどもあります。

目の健康増進ではアンジャナという薬を塗るという。 現代ではアーユルヴェーダの目薬が出てますが、液体ではな塗るそうです。頭や足の裏に薬草油を塗ってオイルマッサージをすることで目の健康にもよいと言います。

 アーユルヴェーダの目薬 パタンジャリ ドリスティ

その他に鼻に薬を入れる、喉の油でのうがい、これは自分もやっていますが効果感じています。薬用喫煙、オイルマッサージ、そして運動などもあります。

強健になることを目的とし、力を増大させる好ましい身体的動きを体操という。それを適度に行うべきである。

66ページより チャラカサンヒター 1-7-31

運動はやりすぎは良くないと言います。また入浴をすすめていますが、熱いお湯を頭にかけてはいけないといわれています。

自然との調和、季節に応じた養生がアーユルヴェーダにはあります。日本の四季とは違い、春、夏、雨季、秋、初冬、厳冬の6つの季節です。

日本とは異なる自然環境、季節感ですが応用できることは多々ありそうです。 春はカパ(水)のエネルギーが悪化しやすいため緩和する食事をとるなどです。 脂肪食品、甘いものを控える、ただし蜂蜜はカパを抑える役割があります。

夏の過ごし方で、ヴァータドーシャを高めないような食事がすすめられますが。性行為は夏は15日に1回だけなどの具体的な教えがあったりもします。冬は好きなだけ楽しんでいいよとかでびっくりです。インド哲学にはカーマスートラという恋愛や結婚、男女の性について書かれた古典書などもあり、性行為を禁欲ではなく、どのように幸福のために行うかなどがあります。 カーマスートラも以前読んだので、いずれ書きたいと思います。夏は日が長く寝不足になりやすいので、お昼寝をとか、またアーユルヴェーダではアルコールも禁止していません。

アーユルヴェーダでは病気の原因を3つに分類します。

対象・行為・時の3つの過度の結合、結合の欠如、誤った結合の3つである

96ページより チャラカサンヒター 1-11-37

行為ということに対してヨーガでいうヤマ、ニヤマ、やってはいけないこと、やったほうがいいことなどが、アーユルヴェーダでは古典で具体的に書かれています。 現代の世界でそのまま当てはめることが難しいものもありますが、多くは現代の生活でも当てはまるような嘘をついていけないとか道徳的なことや倫理的なことなどが含まれます。 女性や友人とどのように関わるか、関わっていけないかなどや、学びついて学習してはいけない時間とか、いろいろ示していたりします。 

ここで述べられていなくても、人に尊敬される行為であれば、それは、アートレーヤ(アーユルヴェーダを教えた導師)の方からいつでも認められることである。

109ページより チャラカサンヒター 1-8-31

アーユルヴェーダでは先にあげた3つのトリドーシャにより、体質を7つに分類しますが、健康なのは3つのドーシャのバランスが均衡である場合だけです。単にヴァータとかピッタとかのグループわけではなく、ドーシャによって食事や生活環境などで病気になりやすくなります。 ドーシャは生まれ持ったもので一生変わらないものです。

からだのダートウ(構成要素)を7つに分類、ラサ(体液)、ラクサ(血液組織)、マーンヤ(筋肉組織)、メーダス(脂肪組織)、アスティ(骨組織)、マッジャー(中枢神経および骨髄組織)、シュクラ(生殖組織)について、マラ(老廃物)やアグニ(消化力)とアーマ(未消化物)についてなども書かれており、アーユルヴェーダでは正しく消化されることを配慮すること。

古典に書かれている食事と心理面の関係にも触れている。 こういうところもっと詳しく書かれているのか気になります。

心配、悲哀、怒り、不安など、心理的困難な気分で食事をすることは、消化を妨げて、未消化物を発達させる。

191ページより チャラカサンヒター 3-2-8

最後はスロータス(経絡)について書かれているところで、マナス(超感覚的な精神)についてさらっと触れていて毛と爪以外の人体全てに輸送されるとある。 ヨーガ・スートラやその元となったサンキーヤ哲学ではマナスとは心(チッタ)を構成する3つの要素の一つであり、食事と精神的なつながりをアーユルヴェーダでは、教えているのと考察できる。 やはり古典書を読んでみたいと思いました。

この本はたまに見返す一冊となりそうです。

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