ハタヨーガの開祖が示す教典 ゴーラクシャ・シャタカ サンスクリット語全解について

ヨーガ

ヨガの教典として知られるのは、パタンジャリ師のヨーガ・スートラ。

パタンジャリ師のヨーガ・スートラが、ラージャ・ヨーガの教典なら、ハタ・ヨーガの経典で知られるのは、ハタヨーガ・プラディーピカーがある。

ヨガ教典 ハタヨーガ・プラディーピカーの第1章

そしてハタヨーガの開祖と言われるナータ派のゴーラクシャ・ナータが書いたといわれるゴーラクシャ・シャタカがある。ナータ派とは、仏教タントラ(後期密教)とシヴァ教タントラから、ハタヨーガを作ったという。ハタヨーガとはタントラヨーガの流れであることがわかる。 タントラと言ってもいろいろあり、日本に伝わった真言密教やチベット仏教などもタントラの流れだったり、バリヒンズー教なんかもタントラの色合いを感じる。

ゴーラクシャ・ナータのお師匠さんは、マツェーンドラ・ナータ師

聖者マツェンドラの名前が入ったマツェンドラーサナというアーサナもあります。 マツェンドラとは魚の王という意味。 魚がヨガを学んだことを知ったシヴァ神が、マツィエンドラと命名したという。アーサナの名前も面白い。

ゴーラクシャ・シャタカが日本語で読めるものは、少ないが菅原誠さんがサンスクリット語から解説したものが2020年三月に出版された。 

サンスクリット全解 ゴーラクシャ・シャタカ (日本語) オンデマンド (ペーパーバック)

こんな素晴らしい本が読めるなんてマジで泣きそうなくらい感動です。それはともかく、ヨギーならハタヨガと言われるものを日々やっているのなら、ゴーラクシャ・シャタカに何が書かれているのか読んで損はなし。 

シャタカ=100からなる。 約100節でハタヨーガについてまとめられている。どんなことが書かれているのか、今回は全体の流れをざっと紹介したいと思う。

 

(1)オーム。世俗の束縛からの解脱のために、人々が自我(アートマン)の覚醒(ブッダ)を成し、識別(ヴィヴェーカ)の扉への鍵たる、ゴーラクシャ・シャタカを私は語ろう。

1節ではまずは、OM(オーム)のマントラから始まり、ゴーラクシャ・シャタカがなんのために書かれているかが最初に示されている。仏陀(ブッダ)とは解脱した人、悟りを開いた人。ヨガは解脱して自由になるための修行法、ハタヨーガとは解脱のため。 健康やダイエットのためじゃない。

アーサナ、プラーナサンヤーマ、プラティヤーハラ、ダーラーナー、ディヤーナ、サマディ、これらがヨガの支分の6つである。 (1−4)

ヨガ、スートラの8支分からヤマ、ニヤマがなくなり6つで、プラーナヤマではなくプラーナサンヤーマとなっている。 プラーナヤーマよりより制御する意味が強いと菅原さんの本では伝えている。

5節ではアーサナは生物の数ほどあると述べていて、6節では84ラクシャ(840万)あるアーサナの中で1ラクシャ(10万)に一つ、84のアーサナが選ばれたという。7節では、その中で最上のアーサナが2つあるという。 ハタヨーガ・プラディーピカーでは4つが書かれていたが、ゴーラクシャの方が先に書かれていたので、2つ増えたことになる。

全てのアーサナのうち、特に2つが卓越し、ひとつがシッダーサナであり、ふたつめがカマラーサナである。(7)

シッダーサナ 

カマラーサナ(パドマーサナ)

10節に入るとチャクラが出てくる。 一般的な7つのチャクラではなく、ここでは2つのチャクラがしめされている。

アーダーラ

スヴァディーシュターナ

16節に入るとナディーの話に入る。 72000のナディの源泉が臍下にあるという。いわゆる下丹田あたりと思われる。

72000のナディのうち72が重要で、さらに10が最重要であると10のナディの説明があり、その中でのイダ(月)、ピンガラ(太陽)、スシュムナー(火)の3つが頂点だという。 タイ古式マッサージでも10のナディ=センのうち10を重要と言ってる。その関連性もいずれ調べてみたい。

24節からは、生命エネルギー、氣、いわゆるプラーナが知られるが、プラーナをはじめとする10のエネルギーの話となる。そして30節ではクンダリーが登場する。 

32節からはムドラー、印について、35節からはバンダについて記される。

38節から53節までは、プラーナヤマについて記されている。 ハタヨーガについてプラーナヤマが重要だってことがわかります。

54節になるとプラティヤーハーラが登場。

太陽が月に満ちた甘露を引き込む。それを引き込むこと、それがプラティヤーハーラと呼ばれる。(54)

やたらと太陽とか月が出てくるんだが、これがプラティヤーハーラの説明としては意味不明で理解が難しい。 ハタヨーガ・プラディーピカの方にも書いてあるのと今度、比較してみようと思う。

60節から、再びチャクラの話に戻ります。

67節からダーラナーについて記されます。

76節からはディヤーナについて。そして徐々にまとめに入ってきているような言葉になりながら93節ではついにサマーディについて書かれる。

 

101)ヨーガを知る者の至高の境地においては、恐ろしき森の如き世俗において、解脱の梯子たる道により、永遠の純一性に到達するであろう。

これを読んで興味持った人はぜひ、本を購入して読んでみてください。そして、よければ感想などを聞かせて欲しい。 

内容がかなり理解が難しいですが、自分の理解をもう少し今度書きたいと思う。 ハタヨーガ・プラディーピカーとの比較などもしたいと思っている。 こういう勉強会もやりたいので、興味あるって人いたらご気軽にお声かけください。

 

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