ハタヨーガ・プラディーピカーでの食事について(1.58-63)

Food

16世紀から17世紀頃のヨガ行者スヴァートマーラーマによって書かれたとされるハタヨーガの教典「ハタヨーガ・プラディーピカー」のヨギー(ヨガ行者)の食事について書かれたところを紹介します。ハタヨガというと身体を動かすポーズのことだと思っている人が多いですが、食事や日々の暮らしなどについての教えもあり、アーユルヴェーダとの関係性なども興味深いです。

翻訳は菅原誠さんのサンスクリット原典 翻訳・講読 ハタヨーガ・プラディーピカー

非常に柔らかく、甘みの食物を、4分の1を残し、シヴァ神を喜ばせるために食する。

これが節食と呼ばれる。

ハタヨーガ・プラディーピカー (1:58)

4分の1残す。腹八分目。 食べ過ぎが万病のもと。 

辛味、酸味、刺激性、鹹味(かんみ)、熱性、緑の野菜、

酸粥、ごま油、ごま、からし、酒、魚、

山羊などの肉、ダディ(凝乳)、水を混ぜたバターミルク、クラッタ豆、

なつめ、油かす、あぎ(植物名)、にんにく

などは不適当とよばれる。

ハタヨーガ・プラディーピカー (1:59)

クラッタ豆。クラスタ豆(グァー豆)っていうののことかな? 山羊などの肉というのは他にもダメなのがあるのだろうけど、なんの肉かわからないが、肉食全体を否定はしていなそうです。 アーユルヴェーダでも肉食を否定はしていなくてリシケシで自分はチキンを食べていいって言われた。

あぎって何だろうって調べたら、アサフェティダという植物でヒングの元になるものだった。 ヒングは通称が悪魔の糞とか言われているスパイス。カレーにいれるとコクが出て豆とかの毒素を出してくれて胃腸が整うって言われている。

酒とかよくないってわかりやすいが、現代では健康にいいってされるごま油とかが書いてある。

再び熱したもの、焦げたもの(乾燥したもの、乾性のもの)、過度に鹹味、酸味を持ったもの、

悪い食物、多量の野菜、は避けられるべき、

不適当な食事と知るべきである。

ハタヨーガ・プラディーピカー (1:60)

悪い食物って腐ったものとか古いもののことかも? 多量の野菜というのが意味が他の意味の可能性があるみたい。 

アーユルヴェーダでいうヴァータな食品を避けた方がいいと言っているように思う。 逆にカパなものをすすめている。 ピッタな食品も避けるものに入っているな。

はじめは、火、女性、旅行への耽溺(たんでき)は避けるべきである。

また、ゴーラクシャはまさに語る。

悪人との接触、火、女性、旅行への耽溺(たんでき)は避けるべきである。

早朝の沐浴、断食など、また身体を痛める行法も同様である。

ハタヨーガ・プラディーピカー (1:61)

食事以外に避けること。はじめになので、修行のビギナー向けかもしれない。 ゴーラクシャが語っていたというハタヨガの開祖の名前を出して書いてあるのがポイントな気がします。女性と書いてあるのはヨガの修行は元々は男性がするものだったという男の視点。ハタヨーガの元となったタントラヨガには、男女の結合のヨガとかもあり、タントラの流れを組むハタヨガにも女性のヨガ行者もいたと考えられる。 現代ではヨガが女性のやるもののようになっているので違和感を感じる人もいるでしょう。

小麦、米、大麦、早稲米(わさごめ)、良質なとうもろこし、乳、ギー、粉砂糖、バター、砂糖、蜂蜜、干した生姜、

パトーラカの実など、5種の野菜、

またムドガなどの豆、清浄な水が、

ヨーガ行者には適する。

ハタヨーガ・プラディーピカー (1:62)

やっぱりギーがいい。 砂糖がいいというのが不思議ではある。 蜂蜜はアーユルヴェーダでは身体にいいと言われるし、生姜も万能薬。

滋養に富むもの、甘味の強いもの、滑性(かっせい)

のもの、牡牛の生み出すもの、組織を養うもの、知力を増すに役立つものを、

ヨーガ行者は摂取するべきである。

ハタヨーガ・プラディーピカー (1:63)

組織とはダートゥ。骨や筋肉などの身体の組織。アーユルヴェーダ的な考えがハタヨーガの古典での食の考えに入っていると考えられる。

これらの考えが必ずしも現代にあっているものばかりではないでしょう。時代、季節、住んでいる場所、年齢、性別、ドーシャなどの体質、それらを考えながら自分の体の声を聞きながらどのような食事をするのがよいかトライしてみてほしいと思います。

・ハタヨーガ・プラディーピカーなど古典のハタヨーガの教典の比較を書いた記事もあります。

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