ヨガのアーサナについて ヨーガ・スートラ2章46節-49節 

ハタヨーガ

ヨガのアーサナは、現代ヨガではアーサナなければヨガではない、アーサナだけがヨガというくらいに主役となっています。もちろん、ヨガはアーサナだけではない。

アーサナ(Asana)はヨガのポーズや坐法という意味で一般的には使われています。

現代のハタヨーガではアーサナは体を動かすポーズのことを示し、アーサナとは座る(坐る)という意味があり、瞑想のための準備であるといわれています。

世界中で多くのヨギーたちは毎日ひたすらアーサナの練習をしているわけですが、多くのヨギーがバイブルとするパタンジャリ先生のヨーガ・スートラでアーサナについて書かれているのは、第二章の46節から49節までの4節になります。

ヨーガスートラを読む はじめの1章1節から4節までについて

Sutra 2.46〜2.49

2-46 sthira-sukham-āsanam

スティラ スッカン アーサナン

アーサナ(坐法)は快適で安定したものでなければならない。

訳はインテグラルヨーガの新刊より

sthira スティラ 不動

sukham スカ 安楽、幸福、歓喜

āsanam アーサナム アーサナ、座位

アーサナは快適で安定したものである必要性が定義されています。なんのためだか考察してみると面白いと思います。

2-47 prayatna-śaithilya-ananta-samāpatti-bhyām

プラヤトナ シャイティリャーナンタ サマーパッティ ビヤーン

自然の傾向である落ち着きのなさを滅じ、無限なるものに瞑想することによって、坐位(アーサナ)修得される。

無限なるものに瞑想というのが、無限とはなんだろうか?

prayatna 努力、尽力、活動、緊張

śaithilya 弛緩、減少、不安定

ananta 無限の、終わりのない

samāpatti-bhyām 遭遇、会うこと、サマーパティ

サンスクリット語の意味をみると、「リラックスすることに努めて、無限なるものに出会うことでアーサナが習得される」といういうような意味かな? 瞑想ととるのかサマーディととるのか? そこまではここでは理解が難しいです。

2-48 tato dvaṅdva-an-abhighātaḥ

タトー ドヴァンドヴァーナビガータハ

以後その者は二元性によって乱されることはない。

ではアーサナを習得したらどうなるのかを述べているようです。

インテグラルヨーガでは二元性に乱されることはないといいます。

tato それより、以後

dvaṅdva 一対、夫婦

an-abhighātaḥ 衝突がない

サンスクリットから考察すると、一つであることが邪魔されないというような意味でしょうか?

2-49 tasmin sati śvāsa-praśvāsyor-gati-vicchedaḥ prāṇāyāmaḥ タスミン サティ シュヴァーサ プラシュヴァースヨーホ ガティヴィッチェダハ プラーナーヤーマハ

それ【安定した坐位(アーサナ)】が得られたならば、吸気と呼気の動きが制御されねばならない。これがプラーナーヤーマ(調気)である。

訳はインテグラルヨーガの新刊より

tasmin それ

sati 存在している

śvāsa 呼吸

praśvāsyor 吸気、呼気

gati 動作、状態

vicchedaḥ 分離、破壊

prāṇāyāmaḥ プラーナヤマ

アーサナが習得したらプラーナヤマへ。 吸気、呼気を分けることを翻訳では制御と言っているようです。 プラーナヤマについて見過ごされていることかもしれません。

アーサナとは神様の坐る場所?

アーサナとは坐法、坐る方法と理解されている。

ハタヨーガ・プラティピカーや、ゴーラクシャ・シャタカなどのハタヨーガの教典には、重要なアーサナとしてシッダーサナやパドマーサナなどの坐法が大事だと書かれている。

ヨガ教典 ハタヨーガ・プラディーピカーの第1章

ハタヨーガ・プラティピカーや、ゴーラクシャ・シャタカではアーサナについて、詳しくと言っていいかはわからないが、色々なアーサナが紹介されています。

だが実はアーサナとは坐法という意味もあるが、アーサナとは坐る場所を意味するという話がある。

誰が言っていたのか定かではないんだが、こっちの説の方が自分は気に入っている。なぜ気に入っているかというと坐る場所とは神様が坐る場所だという。

ハタヨーガの開祖が示す教典 ゴーラクシャ・シャタカ サンスクリット語全解について

アーサナとは神様が坐る場所。神様とつながり、一つになるために神が坐る場所である神殿を整えるのがアーサナ。神様というのはインド神話には多くの神様がいます。ハタヨーガの神様ならシヴァ神。 ヨーガ・スートラでいうとイーシュヴァラという神の名前が出てくる。 バカヴァット・ギーターではクリシュナという神様がいるし、ヴェーダーンタ哲学では、全ての根源として、ブラフマン(凡)、宇宙。素敵な表現だと思う。

安定した姿勢で瞑想を行う。 瞑想の対象として、永遠なるもの、神様であり宇宙であり、ブラフマンであり全ての存在へ、愛と感謝を。

アーサナ、さまざまなヨガのポーズを覚えていくのも、それも面白いと思います。アーサナには動物や神様、聖者の名前などがついていたりで、その奥には神話があったりします。古典に書いてあるアーサナを調べてみるのもまた面白そうです。

ヨガポーズを学ぶ本については下記ページにて。

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