陰ヨガの第一人者ポール・グリリーのチャクラ瞑想入門。
陰ヨガの第一人者として知られるポール・グリリー先生のガイドする本、YOGIS GUIDE TO CHAKRA MEDITATION。 チャクラ瞑想の入門。チャクラについて書かれた本はいろいろあるが、わかりにくかったり自分の偏見かもだけどスピに偏っていたりヨガとかけ離れていたりするものがあったりするが、シンプルにハタヨガや陰ヨガの実践のためのガイドです。丁寧で優しく、それでいてしっかりとメッセージが伝わってきて、ヨガの実践に役立つ本だと思う。ポール先生のクラスは受けたことがないんですが、本から人間性が伝わってくる気がします。
去年、ジョー・バネット先生の陰ヨガのティーチャートレーニングで、チャクラ瞑想のレッスンもあったんだけど、そのときは正直に言うとイマイチよく分からなかった。ただ、面白いなあ、練習は継続したいなと思ったが、ほとんど練習することなく約1年。そしてTTCのオーガナイザーのKanakoさんが翻訳でジョー先生の師匠でもある陰ヨガの第一人者で知られるポール・グリリー先生の著書であるチャクラ瞑想の本が出版された。翻訳者のKanakoさんは、「陰ヨガを伝える言葉」の翻訳もされていて、自分が陰ヨガの世界に足を踏み入れたのは、この本との出会いがある。
チャクラ瞑想について理解が深まるのかわからないが、Kanakoさんが翻訳で出版された本はきっと良書なはずと思い本を購入してみた。
本のボリュームは100ページほどで文字は大きくて見やすい。この本はヨガの古典のバイブル的なヨーガ・スートラの著者とされる聖者パタンジャリの視点で書かれている。 ヨガについて100ページくらいで語れることは多くはないが、ボーリュームは少ないが内容は丁寧で、読みやすくて、シンプルだけど深くて、実践の方法が書かれている。 長い文章でいっぱい書けばいいってわけじゃないんだなってこともどう伝えるか、何を伝えるのか、学びになる一冊でした。
サンキーヤの流れであるヨーガ学派のヨーガ・スートラは、ヤマ、ニヤマなどは仏教の影響を受けていると言われるし、チャクラというとタントラやハタヨーガの世界観として知られるが、ヨーガ・スートラの3章の30節にはチャクラという言葉が出てきていたりで、ラージャヨガとタントラ密教という異なる世界が、シンクロしていたことが伺えたりする。 この話はとても興味深いけど書き出すと沼に入りそうなので、また別の機会としたい。
タントラの思想であるシヴァとシャクティについての説明がわかりやすいというか、夢と現実、右脳と左脳、空と大地、風と波のような相互の影響、関係性が表現されているようで面白いと思った。
誰もが、シヴァとシャクティをわずかに宿しています。呼吸、明晰さ、気づきの深さは、シヴァの構成要素でシヴァプラーナと呼ばれます。身体、感覚、知覚、感情、思考、記憶は、シャクティの構成要素でシャクティプラーナと呼ばれます。シヴァとシャクティは常に互いに作用し合っています。
シヴァプラーナとシャクティプラーナ 8ページ
ヨーガでの3つの身体、フィジカル体、アストラル体、コーザル体についての解説なども丁寧で優しく書かれている。この3つの身体について自分は、粗雑なものと微細なもの、人は微細な目に見えないもの、見えずらいものにアクセスするには、粗雑なもの目にみえるもの、現実世界を通してアクセスをする。風が吹いて波が起きるように、目に見えるものが全てではなく、目に見えるものと見えないものは相互に関係しているし、粗雑なものは微細なものに気づきへつながっていくと考えていて、この3つの次元について知ることは役立つはずと考えています。
この本を読んで、最初に気になったところは、ヴァーサナーとサンスカーラについて。
習慣と行動の積み重ね、そして満たされなかった欲望は呼応するチャクラに種として蓄えられます。休眠状態の欲望をヴァーサナーと呼びます。休眠状態の習性をサンスカーラと呼びます。意識に浮上した欲望、習性、思考をヴリッティと呼びます。
ヴァーサナーとサンスカーラ 30ページ
サンスカーラは身体に記憶されるというのは、これまでの学びや実践で理解していて、自分の内面と向き合うことで浄化していくということはわかってはいても、どこか息詰まるときがあって、エネルギーセンターでもあるチャクラに種として蓄えられるとすると、何か息詰まった時などのヒントになりそうな気がします。
パタンジャリのヨーガ・スートラについての説明やチャクラ瞑想の実践についての説明が書かれていて、陰のプラーナヤマと陽のプラーナヤマなどジョー先生のクラスでも何度も練習したが、改めてこの本を読むと復習となるだけでなく陰ヨガという特別なヨガのスタイルがあるわけでなく、陰ヨガはハタヨーガの一部だし、ヨーガの実践の方法の一つなんだということがわかる。
本を読んでほしいので、引用はあと一つだけにします。
ニヤーサとは意図的に何かをどこかに配置することです。ヨギにとっての祭壇は背骨であり、祭壇に手向けるのは、シャクティプラーナとシヴァプラーナ、つまり気づきとエネルギーです。
ニヤーサ 76ページ
ヨガの実践で大事なのは背骨、yogaviniで毎日しつこいくらいに背骨、背骨って言ってたのを思い出すが、気づきとエネルギーとは、言わば素粒子と振動。 世界の全ては原子、さらに小さな素粒子でできていて振動している。 エネルギーが動いている。気づきとエネルギーだけがあるということが、シヴァとシャクティというタントラの考えで書かれているのだと思う。
ビージャ・マントラの実践、ビージャ・ニヤーサについて、最近になって練習をしようと思っていたところで、この本にも書かれていたのがナイスなタイミング。 有言実行、書いたのは実践のため。 季節は陽の強い夏から少しずつ陰のシーズンの気配がする中で、自分自身は陰から陽へ。
素敵な本を出版いただき出会えたことに感謝と祝福を。
また、今月からインヴァリエーション主催の陰ヨガの200時間のオンラインのティーチャートレーニングがスタートします。 メイン講師はジョー先生で、ポール先生も講師として参加されるという貴重な機会です。 陰ヨガを本格的に学びたいという人におすすめします。