ヨーガ・セラピー  スワミ クヴァラヤーナンダ & S.L. ヴィネーカル  (著)  

ヨーガ

ヨガは解脱や悟りのためで、それ以外の目的のヨガなんて認めないぜ、とかいう人は現代ではマイノリティで、心身の健康、ウェルビーイングのためのヨガが主流で、ヨガセラピーはその流れの中にあるのかな。結局のところウェルビーイングが目的でヨガを実践していても、それが霊性、スピリチャリティへと繋がっていくのかもしれません。

今回紹介の本は、1995年に日本語訳が発行された本。いつ購入したのか記憶から飛んでいるのですが、たまに読み返していて、発見がある本でもある。

インド政府厚生省の要望で書かれたという。ヨーガ・セラピー(療法)について一般の人、とくに医療関係者に知ってもらうことが目的で書かれたという。現代ではインドのはAYUSH省というヨーガとアーユルヴェーダの古典医学の省庁があり、何かつながりがあるのかはわからないが、ヨガを治療や病気を事前に予防するために活用しようというのがインドにおいて国として行われるようになったのは、そんなに古くはないようです。

病気に対するヨーガの姿勢はー他のあらゆることに対しても同様ですがー個々の病因の撲滅に時間を浪費するよりも、むしろ自分自身を強化しなければならないというものです。

第一章13ページ

自分が子供の頃、昭和の後半はまだ日本でも身体を鍛えて丈夫になるということが大事にされていたような気がするが、今の時代は健康には何かを摂取するとかの方が重きを置かれるように変わってきているような、しかしそれでいて明らかに身体によくはなさそうな食物が好まれているような矛盾があるのはないだろうか。

今日の衛生学および衛生法がもっぱら関心を抱いているのは、殺虫剤などによる病気の媒体の撲滅、大気や水の汚染防止、食品衛生といった公衆衛生問題、それにワクチン・血清などによる免疫力の強化などです。こうした事柄はいずれも、公衆衛生の点からみれば、もちろん非常に重要な問題です。しかし、現代医学の善意に対して失礼になるかもしれませんが、これらはみな「マイナスの方法」ともいえるでしょう。なぜなら、ある病気が蔓延するのを防ぐ一方で、個人をより虚弱化して自分自身の脚で立つことを不可能にさせ、その人本来の力によって病気と積極的に戦えないようにもさせているからです。

14ページ

薬、ワクチン、コロナ禍の現代での何かをすることで対処するのが当たり前になっているような世の中。ワクチン接種の副反応で亡くなるかたの話などもどんどん表に出てきてますが、それはワクチン自体の問題もあるだろうけど、この話のように人間が虚弱化しているっていうのもあるのではないかな。 この機会に本当の意味での健康とは何なんだろうかと問い直す機会にすることもできるはずですが、世の中の流れというか社会の風潮としてはそうはなっていないように見える。

心は、心身症だけでなく急性疾患を含む他のあらゆる病気においても大変重要な役割をはたしている、というのがヨーガの考えです。心がかき乱されると、身体の抵抗力が全般的に弱まり外界の細菌に襲われやすくなります。そして臓器間の協調がそこなわれ、その結果、身体自体の働きが低下するのです。

20ページ

心身一元論。心と体は繋がっている。日本語では心の状態を表現するのに体の言葉が多く使われている。きっと昔の人たちは気づいていたから言葉になっていたんだと推測できる。現代では思考が忙しく働きすぎて、心の変化に気づきずらくて、自分の心が今どんな感じなのかということに意識がむきにくい。 ヨガの練習はアーサナの練習であっても身体に気づくことで心に気づくことへと注意を向けていくとより深まっていくはずです。 NVCのクラスでは心に注意を向けるために、思考に向きやすい人には身体へのフォーカスをしていくようにガイドをしていったりしています。 そのことで無意識に意識的になれる力が育っていく。

ハタ・ヨーガの行者は、心の問題を神経生理学の立場からアプローチしてきたといえます。彼らはこの問題を、人間の行動は長期にわたる身体の緊張反応の変化によって決定される、という見地から考えてきました。

37ページ

ハタ・ヨーガができた時代に神経生理学という学問ができていたわけではないが、こういう視点でヨガをとらえていることがとても面白いと思う。この本で突っ込んでは書かれていないが、ナディやチャクラという理論を視点を変えてみてみると、セラピー的な意味合いだったり生活に役立ったりもするのではないかな。

アーサナについて書かれたところで、ツボだったところも紹介したい。

(4)この目的のためには、最小限の努力で、すなわちリラックスして、完成した姿勢を維持することが必要である。これを可能にする最善の方法は、姿勢に心を向けず、何か他のもの、なるべくならパタンジャリが指摘するように、無辺なものにおもいを向けるようにすることである。その当然の結果として、心身がリラックスするばかりでなく、容易に「私」という表面的な人格を超えることができるようになる。

67ページ

ヨーガセラピーという言葉に、ヨーガによって他者の力で癒してもらうようなイメージが少しありましたが、この本で書かれていることは、さらっと深いことに触れていたりもします。 古い本で読みにくさもありますが、かなり名著と思う。

アーサナだけではなく、ムドラーやバンダ、調気法、身体の浄化法などについても具体的に書かれていてやり方や効果もありますが、初心者の人がいきなりできるかというと、できるものとできないものがあります。ヨーガセラピーの本ですがヨガの実践法について書かれた本で、一般的なヨガポーズの本に不足しているものを補足して理解することにも役立つのではないでしょうか。

紹介されてるポーズやバンダとかについても触れようかと思ったが記事がどんどん長くなるので、またの機会か動画にしてアップすることを検討しようと思います。リクエストがあればお伝えいただけると嬉しいです。

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