かなり前に読んだ本の紹介シリーズ。「自動的に夢がかなっていくブレイン・プログラミング」
著者はアラン・ピーズ&バーバラ・ビーズさん。
RASとは「Reticular Activating System」の略で、日本語では網様体賦活系(もうようたいふかつけい)。まず一回で覚えられなそうな名前ですが、まあ覚える必要もほとんどの人はないのでRASでいいとしとこう。哺乳類の脳幹にある「網様体」という神経の集まりで体の生命活動を維持する機能で、それだけでめちゃ重要なことがわかると思う。 呼吸とか心臓の動きとか、睡眠とか目覚めたりとかもRASの働きがるという。ないと生きていけない機能。
脳のフィルター機能
そしてRASの重要な役割として、脳に入るほとんどの情報をRASをとおしており、入ってくる情報をフィルターをかける機能を持っているという。人が何に関心を持ち、注意を向けるかというのをふるいにかけて、脳にいらない情報が入らないようにシャットダウンさせるかを判断するという。例えば騒がしいところでも自分の名前を呼ばれたら気づくなどはこの機能のおかげという。
ヨガや瞑想を実践しているとっていつもヨギー目線で書いてしまいますが、人はありのまま世界を見ているのではなく、自分の思い込みやフィルターがあり、自分のメガネをかけて物事を見ていて、世界の見え方は人それぞれだってことに気づくけど、その役割がこのRASにあるというのだ。 ヨガは心の科学と言われるが脳科学でもヨガの世界とつながる。
ヨギーにおすすめしたい脳科学の本としてはダニエル・シーゲルの著書も面白かったです。
集中力、理解力を高め学習能力、記憶能力
RASから脳に送られる「ノルエピネフネン」という化学物質が大脳皮質を活性化させる。心臓がドキドキしたり、呼吸が早くなったときに分泌される化学物質で、神経を興奮させたり、意欲を高めたりするという。
GPSシステムと検索エンジン
RASはGPSが目的地を入力したら経路は勝手に考えてくれるように、私たちが何を望んでいるかを明確にしたらその道を探し出してくる。望んでいることをイメージするとかアファメーションするとかも、目的地を入力するようなものかもしれない。逆に望んでいないことばかり考えてしまうと望んでいない現実が続いてしまうことも、そっちを目的地にしてしまっているから。いわゆる引き寄せの法則なんてのと言ってることは近い。 何を望んでいるかが大事で、経路がどうなのかっていうのいわゆる手段であって目的ではない。
この本ではRASを活性化させて目標や夢を叶えるための練習法なども書かれている。考え方の癖を変えたりするのに役立つ方法が紹介されているが、そのなかで最もシンプルなのを紹介したい。
2分間笑う
笑うと天然の麻酔剤である「エンドルフィン」が血液中に放出される。
「二分間笑う」と血圧が下がり、ストレスホルモンが減り、筋肉がほぐれるなど、さまざまな効果があることが、笑いの研究からわかっている。免疫機能も高まって、体に入りこもうとする病原菌と闘うT細胞(インターフェロンガンマ)や、体内に入りこんだ病原菌やウイルスを攻撃するための抗体をつくるB細胞が増えハタヨガフリーサーファー。、
266ページ
ある意味、天然のワクチンで、最近問題になっているような副反応もない、笑うって素晴らしい。
不安や恐怖
不安におびえるのは、望まない物事が起こりますようにと祈るのと変わらない。
296ページ
恐れや不安について、「顕在記憶」=脳の海馬に貯蔵された記憶で思い出すことのできるもので、「潜在記憶」=過去の出来事や経験が感情として脳の扁桃体に潜在意識レベルで記憶されて体が生きるための恐怖などの感情で思い出される。
自分の経験では数年前までなぜかわけもわからずに、不安や恐れの感情が湧いてきて、どうにもならないことが多かった。それが変わったのはヨガの実践と、NVC 非暴力コミュニケーションのプラクティスによるものだった。特に2017年に参加したIIT 国際集中トレーニングのリードトレーナーだったロバート・ゴンザレスから教わり彼から受けとったことが、ヨガの練習とつながり、自分の中の不安や恐れを少しずつ溶かしていくことができた。今も不安や恐れの感情は起きるが、それは過去の感情であり、その感情に乗っ取られることは減ったし、そこにおもいやりを向けられるようになった。6年くらい講座をやってきていろんな人に学びをシェアしてきて、この先は教えることから不安や恐れから自由になれるようにサポートできたらと考えています。 もちろん、ワークショップなどもやっていくので、開催リクエストなどあればお問い合わせください。