ヨガ哲学からサンスカーラ(潜在印象)と潜在意識 ヨーガスートラ2章から

ガンガー ヨガ哲学

ヨーガは心の科学。現代の心理学にもヨガの影響を深く受けている。 

心理学の巨匠の一人であるC・G・ユングがタントラやクンダリーニ・ヨガを学んで集合的無意識の考えを作ったことが知られている。 ヨーガ・スートラに書かれている潜在意識の話について書こう。

Yoga Sutra 1.5

ヨーガ・スートラ 1章5節 vr̥ttayaḥ pañcatayyaḥ kliṣṭākliṣṭāḥ ヴルッティヤハ パンチャタイヤハ クリシュタアクリシュターハ

<インテグラルヨーガ新刊による訳> 心の様態には5つの種類があり、それらの中には苦痛に満ちたもの、あるいは苦痛なきものである。

インテグラルヨーガでは、「利己的な」思いと「無私」な思うと置き換えるとわかりやすいと説明されている。

この節のスワミ・サッチダーナンダの話が自分には、かなりツボに入って面白かった。 心を空っぽにしようとするとその思いが残るという。 

こういうパラドックスっていろんなところに隠れているなあと思う。

そして利己を忘れて、他人を幸せにするようにと説く。周囲が幸せでなければ、自分が幸せになれないと。無私になれないのであれば、自分を平安にするためにのみ、徹底的に利己的であれば他者への平安をもたらすことができるという。

 

まずは、自分自身の心の平安なくして真の平安はない。

サンスカーラ 潜在印象について

次にこの節についてのグレゴール・メーレの ヨガスートラの解説本での説明も面白い。

現代人のためのヨーガ・スートラ グレゴール・メーレ著

心の苦しみを伴う動きについて、ヨーガ・スートラ第2章で書かれている2つのことに触れている。

1つめは苦しみが起きるのは煩悩(クレーシャ)によるものだという。

煩悩(クレーシャ)は5種類あり、2章の3節で書かれている。

ヨーガ・スートラ 2−3

ヨーガ・スートラ 2-3

avidyā-asmitā-rāga-dveṣa-abhiniveśaḥ kleśāḥ 

(読み)アヴィディヤースミターラーガドヴェーシャービニヴェーシャハ クレーシャハ

(訳)煩悩とは、無知・自我意識・欲望・嫌悪・そして死への恐怖である。

現代人のためのヨーガ・スートラ グレゴール・メーレ著

煩悩についてはまた、別途触れたい。今回は、苦しみをともなう心の揺れは、サンスカーラ(潜在印象)を生じさせるということについて書きたい。

ヨーガ・スートラ 2−12

ヨーガ・スートラ 2-12

kleśa-mūlaḥ karma-aśayo dr̥ṣṭa-adr̥ṣṭa-janma-vedanīyaḥ 

(読み)クレーシャ ムーラハ カルマーシャヨー ドルシュタードルシュタ ジャンマ ヴェーダニーヤハ

(訳)行為が煩悩に基づくものであればカルマは現在と未来に経験される。

現代人のためのヨーガ・スートラ グレゴール・メーレ著

 

ヨガではサンスカーラという言葉を聞くことがあると思うが、簡単書くと心の痛み、怒りや悲しみなどは潜在意識に印象(プリント)して記憶される。

それを潜在印象 サンスカーラと呼ぶ。

このサンスカーラが、無意識にリアクションして、行動を決めてしまう。

心理学でいうところのビリーフ(信念や観念)とか、トラウマなどもサンスカーラと言えると思うが、大きなことだけでなく、些細な小さなことが心の働きとして起きるんだと思う。

それが車輪のように回り続けてしまう。

思考や感情に一体化していると気づくことが困難で、サンスカーラにどんどん貯蔵されていくというイメージです。

その感情に気づくためにヨガやマインドフルネス瞑想などがとても役立つ。

自分は本当に怒っているんだ、悲しいんだなど小さな感情であっても気づくことが大事で、気づかずに放置していると潜在意識にプリントされ続ける。

あいつが悪いとか他人のせいにしたりとかで自分の感情として受け取っていない場合なども、同じで、何度も書くが気づくことが大事。

気づくと絡まっていた糸が解けるように、あるいは緊張が緩まるように、消えていきエネルギーが流れていく。

気づくために思考を使って気付こうとしても、サンスカーラから反応して車輪が回っているので、困難なんだと思う。

そのための鍵が呼吸であり、身体感覚で感情の変化、動きは常に体に何かしらの変化があり、体の癖は心の癖である可能性がある。

多くの瞑想法が体や呼吸を観察しているが、体を観察することが心を観察することと繋がっている。 ヨガ哲学とともに、心理学や体のことを学ぶことでより深い理解になると思う。

そしてせっかく体を動かすヨガをやっている人は、体を動かすだけでなく、心の変化を見てみて欲しいと思います。 

ヨガと一緒にNVC 非暴力コミュニケーションを学ぶと役立つと思う。  

ヨガのレッスンを対面とオンラインで行っています。プライベートでのパーソナルレッスンもありますので、ご気軽にお問い合わせください。 CONTACTページから

 

ソーハム瞑想法 ヨガをやっている人は誰でも知っている?  

ヨガ哲学の二元論と一元論、非二元論(アドヴァイタ) 

ヨガの4つの道  〜ヨガの種類は4つだけだった? 

パタンジャリのヨーガ・スートラを学ぶ 1章1節 Atha アタ 

ヨーガスートラを読む はじめの1章1節から4節までについて 

ヨーガ・スートラ 1章12節−14節 修習と離欲

ヨーガ・スートラ 1章33節 慈・悲・喜・捨 

ヨガ教典 ハタヨーガ・プラディーピカーの第1章 

ハタヨーガの開祖が示す教典 ゴーラクシャ・シャタカ サンスクリット語全解について

 

聖典 アシュターヴァクラ・ギーター 真我の輝き 

ヨーガの紀元は数千年前って本当なのか? 数千年の歴史を振り返ってみたよ。

 

 

私たちとつながろう

Yoga Misoraから最新のニュースやクラスや講座の案内をお届けします。 😎

スパムはしません!詳細については、[link]プライバシーポリシー[/link]をご覧ください。

コメント

  1. […] ヨガ哲学からサンスカーラ(潜在印象)と潜在意識  […]

タイトルとURLをコピーしました