「奇跡の脳」で知られるジル・ボルト・テイラー博士。
TEDのYoutubeは全世界で2,900万人以上が見たというのでこの記事を読んでいるあなたも見たことがあるかもしれない。
脳科学者であるテイラーさんは重度の脳出血で左脳の機能が停止し右脳が優位になり、そのときに自分と外の世界の境界がなくなり、意識が広がって宇宙と自分がひとつであるというような体験をした。いわゆるワンネスとか、ヨガでいうサマディの一つだったり、悟りの一瞥体験なんて言われたりもする。そこから左脳の機能を取り戻しいく過程を脳科学者としてご自身の体験から、脳にどのような役割があって、どう扱うかで、私たちが人生でどのように生きていくかの指標になる。そのことを新しい本では書かれている。
WHOLAE BRAIN 心が軽くなる「脳」の動かし方
テイラー博士のこの本、名著だと思う。税込で2,200円でこの知恵を学べるなんて現代人はなんて恵まれているのだろう。本を読むのがちょっと面倒って人はこの先に簡単に書くので読んでもらえたらと思います。
キャラ1 左脳の考える脳
最初のキャラ1は左脳の上の脳で、心理学でいうペルソナ 仮面に当たる。言語を担当して直列プロセッサ、順序だてたり、分類すること。 整理整頓したり、目標に向かって達成していくのはこの脳の働きによる。 過去の経験、未来への予測に基づき何をするか考えたり管理する。ルーティンが得意。物質的な役割がある。男性的な論理的に考えるのが得意な脳でいわゆる自我、エゴ。 社会のルールを守ったりとかはこの脳のおかげと言えるかもしれない。
キャラ2 左脳の感じる脳
左脳の下の脳。 心理学でいうシャドー。脳の下の部分は動物的であり、子供の頃からできている。 恐れや不安といったのはこの部分、
用心深い、恐怖心、不安、条件付けで愛する、利己的、批判的、善悪、騙す、泣き言、責める、過去の恐れを記憶している。
本では触れていないがインナーチャイルドやトラウマとは、ここに記憶されているのだろう。
キャラ3 右脳の感じる脳
右脳の感じる脳、脳の下の部分、心理学でいうアニマ·アニムス(男性性、女性性)
現在の瞬間を体験する、オープン、怖いもの知らず、フレンドリー、創造的、共感的、好奇心、遊び心、分かち合う、優しさ。 この脳は自他の境界がなく共感力の高さとか、新しいこととか冒険とかが好き、ワクワクしてチャレンジする時などはこの脳が優位になっている。子供ぽい無邪気さとか。
キャラ4 右脳の考える脳
右脳の上側の脳。 心理学でいうセルフ(真の自己)。
全体性、エネルギー、宇宙、言葉でなく絵、経験、現在の瞬間、身体的、無意識、私たち、流動的流れ
集中したときにいわゆるゾーンに入る体験だったり、アイデアや閃き、直感といった部分はこの脳の機能のおかげといえる。 そしてヨガの目線だとヨーガでいうアートマン=ブラフマン。 左脳の働きを鎮めて右脳が優位になることで本当の自分、潜在意識だったり宇宙と繋がるといった古代からのヴェーダ哲学などの知恵は現代の脳科学でもこうして明らかになってきたと言える。
脳の作戦会議 ー平和をもたらすパワーツール
脳の役割を知った上で具体的にどのように使えばよいかというのも書かれています。 読んで練習すると使いこなせるはず。
まず、4つの脳のキャラクターはそれぞれ異なる人格であると名前をつける。キャラ1左脳の考える脳は、太郎とか。
そして5つのステップをBRAINに分けて行う。
B =BREATHE 呼吸に集中する
まずは呼吸。 ヨガでもマインドフルネスでも呼吸。呼吸に集中して一時停止する。 呼吸は神様と言われるし、ヨガでは呼吸と呼吸の間に瞑想があると言います。まずは呼吸。呼吸が止まらない自動思考から自由になるサポートをしてくれます。
R =RECIGNIZE 識別する、気づく、認識する
今、4つのキャラクターのどこにいるかを気づきます。 今、将来のことを考えて不安になっているなって感じたら、それはキャラ2の感じる脳が優位になっているなどと気づいていきます。 最初はこうやって気づくのを難しく感じるかもしれないが、訓練すればすぐできるようになるはずです。 自分の場合はNVCの練習などをやってきたので、今自分がどう感じているかというのはひたすらやっていた時期があったので、意識を向けると今自分はキャラ3だなとかすぐ気づけた。
A =APRECIATE 正しく評価する、感謝する
今どのキャラが優位か気づいたら、それを認識して受け入れていく。 キャラ2が不安や恐れの思考が出ていてもそれを無理に封じ込めようとはせず、それはその脳が愛から出ていることを気づき、おもいやりをもって受け入れてあげて、感謝します。 この部分がセルフコンパッション、自己へのおもいやりを育てるのに役立つ。 NVCでいうセルフエンパシーにもつながる。
INQUIRE 尋ねる、意見を出し合う
4つのキャラから意見を出し合います。 キャラ1は早く物事を解決させようとするが、キャラ2は恐れから前へ進めることを止めたがっていて、キャラ3はとにかくウキウキ、ワクワクしたことをやりたがるかもしれません。それぞれの声を聞いて受け入れてあげます。
N =NAVIGATE 舵をとる
最後にそれぞれの脳のキャラの声を統合して舵をとります。まずは、また呼吸に注意を向けてみよう。脳のキャラの声を受け入れたら、自分の中に選択肢があることに気づく。 自分の考えや予測を超えたギフトがあるかもしれない。
その他
本の中では、自分自身と深くつながるほうほう、恋愛関係に生かす方法、依存症に立ち向かう方法、この100年を振り返りなどが書かれていて役立ちます。
この本でテイラーさんが書かれていることは、私たちは本来ありのままで完璧な存在で美しい存在だってことだと思う。 生命のエネルギーのなかで生きること。 本について動画でも10分程度ですが紹介しているのでお時間あるときに見てみてください。