ねえ、本当に人の話聞いているの?
聞いて欲しいこと、伝えたいことがあって話したのに、相手に全然伝わっていない気がする。
「こいつマジで人の話聴く気持ちあるのかよ!」
あるいは、ちゃんと話を聞いているつもりなのに、全然わかってくれていないって言われてしまう。
そんな気持ちになったこと、きっと誰もが経験したことがあるのではないだろうか。
仕事や学校、友達や恋人、家族、いろんな場面で遭遇する。
相性が悪いのだろうとか、性格が合わないとか、価値観が合わないとか、あるいは血液型や星座を原因にしてみたり。
大抵が聴いているつもりで、話を聴いていないってことに本人が気づいていない。
話を聴きながら、頭の中ではこんなことでグルグルしていないだろうか?
・そういうこと自分もあった。わかる、わかる。
・何かアドバイスしなきゃ。何を言ったらいいかなあ。
・その問題は何が原因だろうか?
・それは君が間違っている。
・そんなことたいしたことじゃないから別の話したいな。
・また、その話かあ。
・この人は自分のことを嫌っているのかな。
まだまだ、あげればキリがないが、目の前の相手の話を聴いていると思っていたが、自分の頭の中の思考に埋没してしまっている。
相手ではなく、自分の話でいっぱい。 こういうときは、今この瞬間ではなく過去や未来へ思考が行ったり来たりしている。
多忙なことが素晴らしいような現代社会では、人の話をじっくり聴くというのが、忘れられているかもしれない。
自分の思考はできるだけ置いておいて、相手の話にただじっくり耳を傾けて聴く。
心理学やコーチング、カウンセリングなどでは一般的なスキルである「傾聴」は英語で「active listening(アクティブリスニング)」。
アメリカの心理学者だったカール・ロジャーズ(Carl Rogers)が提唱したもので、NVCのマーシャル・ローゼンバーグや、フォーカシングのユージン・ジェンドリンも深い影響を受けたという。
ただ聴く。聴いてもらう。そのシンプルさが、とても深い。 心から聴いてもらうと自然と共感(エンパシー)が起きる。 このパワフルさはまるで魔法。
傾聴は瞑想
深い傾聴は瞑想のようなものだと思う。
他人の話を聴いているときに自分の思考がグルグルと回ってこないなんて、ほぼ不可能だ。 自分の考えが、これでもかってやってくる。
「自分は他人の話をちゃんと聴けないダメなやつだ。」
そんな自己批判の声までやってくる。
思考は流れる雲のように次から次へやってくる。その思考をつかまずに、つかもうとしても、気づいたら手放して、ただ今目の前の人の話を聴く。
そのとき、聴いてもらった人のなかで何かが起きる。
まるで魔法のような変化が。
いきなり、傾聴しようと思っても難しく感じるケースが多いので、まずは練習してみることをおすすめします。
友人と5分ずつ、お互いの話をただ聴き合う。合わせて10分で、お互いが聴いてもらったという思いを受け取れると思います。
傾聴の練習のために、一人で一日数分でも静かに座ることもおすすめです。
*この記事は2020年にnoteに書いた記事をnoteを今使っていないので転載したものです。