タイの北部 古都チェンマイから車でおよそ2時間ほどNongtao(ノンタオ)村に行ってきました。
目的はノンタオ村のLazyman coffee レイジーマンコーヒー。
レイジーマン(怠け者)という名のついたコーヒー農園は、タイの北部で暮らす山岳民族のカレン族の村にある。
森林農法(アグロフォレストリー)のコーヒー農園
オーガニックという言葉も一般的になってきた近年、レイジーマンファームはただの有機農法での栽培ではなく森林農法(アグロフォレストリー)の農園。パーマカルチャーでいう食べられる森、フォレストガーデン。
コーヒーの木だけでなく、バナナやアボカド、他の果樹などが様々な木々や植物、鳥や動物などの多様な生態系があることが特徴でもある。
森林農法について、詳しくはフェアトレードコーヒーのウィンドファームの記事を。
Lazyman coffeeとは。
レイジーマンコーヒーを知ったのは、ワークショップをやらせていただいたりしている、横浜の戸塚にあるお気に入りのお店であるカフェゆっくり堂。
ここではメキシコかエクアドルなどの森林農法で育ったコーヒーが飲め、コーヒー豆も販売されている。
そんななかある時、初めて目にしたタイのコーヒーが、レイジーマンコーヒー。
そういえば、タイでもコーヒー栽培しているらしいなあくらいの知識で購入して飲んでみたら美味しかった。
そして昨年おそらくワークショップか何かでナマケモノ倶楽部の事務局の上野さんと話していたときに今度チェンマイに行くって話をして、その時点ではそんなこと決まっていなかったのになぜかチェンマイ行くって言葉が出た。そしたら上野さんからチェンマイ行くんだったらレイジーマンコーヒー行くといいよって話を聞いた。
行けるなら行ってみたいなあって気持ちがわいた。
数年前にチェンマイの北パーイのタコメパイ・パーマカルチャーファームに12日くらいステイしたことがあり、今はタコメパイは閉鎖してナンでサハイナンというファームをやっていて、そっちか別のファームに行きたいって思っていた。
自給自足的ライフスタイルへ。タイのパーマカルチャーファームでの実践コース!
そしてチェンマイに行くことが決まったら、レイジーマンコーヒー農園に行きたいって思うようになった。
ナマケモノのコーヒー
Lazyman coffee レイジーマンとは怠け者(怠け者)。ナマケモノのコーヒー。
日本では20年くらい前からナマケモノのコーヒーを販売してる。環境文化NGOのナマケモノ倶楽部が森林農法でのオーガニックコーヒーを広める活動をしている。ナマケモノ倶楽部の世話人の一人である中村隆市さんは、オーガニックとかフェアトレードなんて言葉があるかないかわからないような頃から、森林を守るコーヒーをフェアトレードで輸入していたビジネスマンであり環境平和活動家でもある。
2007年くらいにスロービジネスという本を読んで、感銘して当時、中村さんがコーチョー(校長ではない)をしていたスロービジネススクールに入校したことがあった。
中村さんにレイジーマンコーヒーに行きたいと伝えたところ、レイジーマンの若きリーダー的存在であるスウェさんを紹介してくれた。
スウェさんにコンタクトをとったところ、ノンタオ村でステイできる宿も紹介してくれた。
チェンマイのオールドシティからノンタオ村へ
チェンマイに滞在2週間たち、ようやくノンタオ村へ行く日になった。
チェンマイ市内は空気の汚れが強い日もあり自然豊かな場所へ行くことにワクワクしていた。
ゲストハウスの人に朝8時にチェンマイのオールドシティのワット・プラシンで車のピックアップを予約してもらった。
それまで泊まっていたゲストハウスをチェックアウトして8時前に待っていたが8時を過ぎても車が現れない。 連絡をしてみようとメールを見るとピックアップの時間が8時から12時に変更とメールが30分ほど前に来ていた。
この時間を何しようか? バックパックを背負ってあまり歩きたくないし。とりあえずワットプラシン近くのアカアマコーヒーに行ってコーヒーを飲むことにした。
こちらもレイジーマンコーヒーと同じように山岳民族のアカ族の村で栽培されたコーヒーだ。
待っている時間、何をするかタイ古式マッサージをどこかでしてもらうか? ヨガスタジオが近くでやっていないか? WILD ROSEヨガスタジオ で10時から11時半のドロップインクラスに参加することにした。
ヨガクラスが終わってワットプラシンに戻ったらちょうど12時。身体を動かしてお腹が空いたが食べる時間はない。 運転手さんを見つけて車で約2時間、ときおり山道を通りながらノンタオ村へ辿りついた。
この日のゲストハウスはnogtao village homestay
外観はこんな木造の小屋。
中はキングサイズのベッド。
シャワーとトイレはついている。
ただしお湯は出ない。
一泊500バーツ。 日本円だと1800円くらい。朝食付き。
部屋はこんな感じ。夜中は山の中で冷え込んで寒かった。暖房はない。
夕食も希望すれば食べられる。
レイジーマンコーヒー
ゲストハウスをチェックインして徒歩5分くらいのところのレイジーマンコーヒーへ。
LAZYMAN COFFEEという看板を見つけて中に入っていく。
アウトドアなめっちゃ素敵なカフェに到着。
スウェさん家族が温かく迎えてくれて、「お腹が空いていないか?」って聞いてくれて少し空いていると答えたら、ご飯を作ってくれた。
タイの家庭料理。この旅で一番美味しいご飯だった。
そしてLazyman coffee ナマケモノのコーヒー。
生まれて初めてコーヒー農園でコーヒーを飲んだ。しかもオーガニック。同じコーヒーを買って飲んでいたけど、味が全然違う。
コーヒーファームの一部を見学させてもらった。
ファームには、さまざまな木が生えていて、パパイヤ、マンゴー、アボカド、バナナ、いろんな果物があって、その中でコーヒーの木が育っている。
ファームもコーヒーの木もマジで美しい。
コーヒーチェリーの果実の中にコーヒー豆がある。コーヒーチェリーの果実を試食させてもらったら、とても甘くてスイートで美味しかった。
コーヒーって果物だったんだ。
コーヒーの果実を食べると下の写真のようにコーヒーの白い生豆が出てくる。
採れたてのコーヒー豆を焙煎して飲んでみる。
3種類のコーヒー豆を生豆から焙煎して飲んで味を比べるというテストをさせてくれた。
まずは生豆の皮を脱穀する。
そして生豆を煎る。
那須の非電化コーヒーの藤村先生が発明した煎り上手をチェンマイの山奥で見るとは思わなかった。
非電化コーヒー焙煎器『煎り上手』でコーヒーの生豆を焙煎する!
コーヒー豆を煎るのは、だいたい10分くらい。 いつも自分ではバイバチいったらオッケーって思っていたが、微妙な感覚があるようだ。
煎ったコーヒー豆を使って飲めるのは翌日。
何事も寝かせるって大事なんだ。
翌日の朝、ゲストハウスで朝食を食べてから、レイジーマンコーヒーに行き3種類のコーヒーをいただいた。
どれも美味しかったが、味が全部違う。 比べると自分の好みがあるのがわかって面白い。
日本語を少し話せるスウェさん、英語が少ししか話できない自分、カタコトの言葉を使ってコミュニケーションをとって、レイジーマンコーヒーの話を聞かせてもらった。 レイジーマンのコーヒー農園は小さな家族経営で、いくつかのファミリーが集まっていること。
翌日の出荷前で忙しいということでナマケモノのコーヒー農園の家族はビジーに仕事していた。
少しだけコーヒー豆の選別を手伝わさせてもらった。
ほんのちょっとだけど、小さな家族が丁寧な仕事をしているのに触れることができた。
フェアトレードとかオーガニックという言葉も大手スーパーなどでも見るようになったが、見て体験して感じて、身体やハートでわかることってとても大事だなって思った。 理論で素晴らしさをたくさん語るより、感じること。
百聞は一見にしかずって言葉があるが、体験に勝るものなし。
夕飯もスウェさんの家でご馳走になり、奥さんと翻訳アプリを使ったりしながら、お話をしたりした。
ちょうどお子さんのお誕生日でケーキまでいただいた。
なぜコーヒー農園?
タイの山岳民族はかつて自給自足的な暮らしをしていたという。
多くが欧米の資本が入って大規模なプランテーションに変わったが、赤字になり自然はやせ細っていった。豊かな暮らしにしてくれるはずの農的な仕事が、まさに心を亡くすと書く忙しくなり、豊かさとは遠い暮らし。
コーヒー農園は森林の他の生物と共存しながらコーヒーを育てる森林農法で、コーヒー以外の果物や穀物たくさんの食べ物を自給しながら現金収入も得る。
そして森林を保護しながら昔の暮らしと現代の便利な暮らしの中で生きる。
GMO 遺伝子組み替え、農薬、化学物質 MSG、放射能、食がさまざまな要素で健康や自然への影響だったり、大企業による富の独占、児童労働、いろんなことを抱えている中で、平和に非暴力な実践的な暮らし。
日本ではコーヒーの栽培は沖縄くらいだが、その土地にあった小さな、丁寧なナマケモノな暮らしがきっとある。
そんな思いが、一人旅の途中で湧き上がった。
星空の中、冷え込んできた道をわずか5分だけど歩いてゲストハウスまでの道のりは、真っ暗で懐中電灯が必須。
翌日、コーヒーを試飲したあと前日の頼んだコーヒーを購入させてもらった。日本で飲むのが楽しみです。
レイジーマンコーヒーではコーヒー豆も購入できます。
ドネーションボックスもあるので、お世話になったので自分にできる範囲のドネーションを。
チェンマイに行く機会があってオーガニックコーヒーに興味がある人、足を運んでもらえたらと思います。
スウェさん、ご家族のみなさま、紹介してくれた中村さん、ナマケモノのみなさまに感謝。
最後にスウェさんとの写真。どことなく似ている?
また一つ帰ってきたいと心から思える場所と出会えた。チェンマイに戻り旅は続く。
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