運命を拓く 天風瞑想録 中村天風著

スピリチュアル

日本のヨガの先人である中村天風先生の本。自己啓発本なのか哲学書などがヨガの本なのか、どこかの講演でのお話を文字にされた本。 

メジャーリーガーの大谷翔平選手が、中村天風の本をバイブルにしているとかってインターネット上に書かれていたりしますが本当なのでしょうか? この本を読んだのが4年前の2019年、ヨガの世界の先人の教えに興味を持った。改めて読み返してみるととても面白いです。近年、スピリチャルな本を自分はたくさん読んできましたが、正直その多くが面白くない本が多く、魂震えるようなものは少ないが、中村天風先生のこの本は、心にエネルギーの与えてくれました。

中村天風先生は明治9年(1876年)生まれ、今から約150年前、亡くなったのが昭和43年(1968年)で本名は三郎。17歳でスパイとして清国(中国)に軍事探偵(スパイ)として行ったとか、亡くなって55年というそんなにはるか昔の人ではないが、現代との時代の違いを感じる。

日露戦争のころに肺結核になり治療をするために、アメリカヤフランスに渡ったという話も、時代が時代だけに、その行動力に驚きます。

エジプトのカイロで不思議な人物に出会い、その人がヨガの聖者カリアッパ師で、ヒマラヤのカンチェンジュンガの麓でヨガの修行をし治療したという。ヨガ修行は八つの階梯をもって修行すると書かれており、実践しておられたことに感動します。

真理瞑想行という修行について問いが出てきて、やはり言葉の使い方は違ってもシャンカラのような問いという。

「心とは何だ。お前の現在の心はお前の本当の心か」あるいは「人間とは何か?」

ところどころ、ヨーガ・スートラに書かれているようなことが言葉の中にある。やっぱりヨギーです。

本当に心が清い状態であれば真理はすぐに発見できる。

29ページ

宇宙の根本が何なのか? いろんな言葉を伝っているのが面白いと思います。 本の中では、たったひとつの実在で、哲学では”根本的本源実在”、科学では”エーテル”、見えざるひとつの”気”、中国では”霊気”、日本の儒教者は”正気”中国宋代の儒教哲学では”先天の一気”、電気とか磁気とかを”後天の気”、たったひとつエネルギーを生み出す元、天風哲学では、”宇宙本体”、あるいは”宇宙霊”。この表現が自分はめちゃ面白いと思います。 そして、これを森羅万象であるという。 あまり使わない言葉ですが、森羅万象、これこそヨガをあらわす日本語の美しさじゃないだろうか。 

言葉が100年前で古いけどシンプルで、大切なことがギュッと詰まってこの本の中でヨガの教えが説かれている。

すべて”気”というものは動かなければならない、ということである。

40ページ

すべては動いている。変化している。一瞬たりとも止まらないし、過去にも未来にも行けず、今しかなく、今は変化している。

「人間の心で行う思考は、人生の一切を創る」

43ページ

世界は自分の鏡、人は自分の見ている世界しか見えていない。 

「人間の生命に与えられた活きる力というのものは、肉体に在るのではなく、霊魂という気の中にある」

51ページ

霊魂という言葉を使っているが、気、プラーナ、エネルギーのことを言っているのだと思う。 肉体がなんで動いているのかをただ生きていると無意識でいるけど、ヨガとか実践していると自分がエネルギーで動いているというように理解していく。

健康や運命に関係なく、いつも元気でいられるのが人間である。

58ページ

いろんなスピリチュアルの教えなどで言っていることと同様なことを言っていると思う。全体性、全ては完璧で、本来は満たされている。 不足は存在しない。

この現象回に存在する一切の事物の根底は、科学的にのみ見れば、物質的なものであるが、哲学的に観察すれば、どこまでいっても非物質的な、精神的なものである。

74ページ

読めば読むほどにツボに入っていきます。 現代の物質社会も、世界は精神的なものなんだということを教えてくれます。 

潜在意識の状態が実在意識の状態に同化してくるのである。

108ページ

実在意識とは顕在意識のことを言っているのでしょう。 潜在意識が97%とか99%で、顕在意識はわずか3%ほどだと言われて、現実の世界は潜在意識が創造しているというのは、昨今のスピリチュアルな世界では言われます。いわゆる引き寄せの法則なども、潜在意識をを変えることで現実世界を変えていこうという。 アファメーションなどの暗示によって、潜在意識を変えようとしたり、マントラを唱えるなども無意識にはたらきかけるともいえます。日常で自分が使う言葉に気づくことは、思考に気づき、潜在意識に気づくことにもつながる。 潜在意識に海の中ともいえて、表面は見えても、奥深くを見るには水を綺麗にする必要があって、その方法こそ瞑想であるともいえる。そして瞑想は手段ではなく、状態と言われるのも、水が綺麗な状態に近づいていくともいえる。

天風先生は、大宇宙よりも人間の心は広いのではないかという、心はヨガでいうチッタ。チッタがクリアになるほどに心は宇宙のように、広く感じられるんじゃないかって思う。

世界の根源であるエネルギーの宇宙霊、造物主には消極的な弱いものは存在せず、心を宇宙霊と一致させること、積極的でいることが調和であり、無限の力で創造してくれる。自分の心が言葉が思考が世界を作っているってことを改めて思う一冊です。たまに読み返そう。 健康になる。運命を変えていく。天風先生の教えのほんのい一部をシェアさせてもらいました。 ヨガの実践者なら天風先生の本を一度は読んでみることをすすめたいです。 そしてヨガに興味ない人にとっても素晴らしい出会いになるでしょう。

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